男! コージー・パウエル
「ワープロ」と言えば、普通に考えると「ワード・プロセッサー」の略ですが、一部の人たちの間では「ワールドプロスリング」のこと。
90年代に入ってからはELPの「Score」が使用されているのですが、プロレス・ファンの人たちはこの曲をフルで聴くと、ヴォーカルが入ってることにびっくりしたりします。
それほど、プロレスの曲としての認知度が高いのですが、記事を上げるにあたって動画を探していると、「Score」のオーディエンス・ショットを発見。
本当は、キース・エマーソンとスポーツ・テーマとか使用機材について投稿しようと思ったのですが、この動画で何が格好いいっていうと、コージー・パウエルのドラムの叩き方!!
レインボー時代よりも、ノリに乗って叩いてます。
クラッシュ・シンバル叩かせたら、コージーが世界一!
EL&Powellのデビューは1986年。カール・パーマーが参加せずに、コージーが加入という情報を聞いた段階で、ある程度出音も見えていて、リアル・タイムでの評価もイマイチだった記憶があるのですが...何せ、終焉間近といえ、80'sポップ全盛の時代です。
当時としては大げさ過ぎ。しかも半端に当時の流行とは言えリバーヴ処理がきつく、聴くのが辛かったです。当時は...
スタジオ盤でのコージーのプレイも予測の範囲を超えるものではなく、人選ミスというか、同じ"P"なら、サイモン・フィリップスにしてくれないかと思っていたものです。
しかし、いざライヴの映像見ると、一番目立ってるのがコージー!
生で見た人は体温上がったことでしょう。
懸念されていた変拍子も力技で処理。タルカスもやってます。
さて私がコージーの存在を知ったのは、レインボーの2ndアルバム。
特に名演と呼び声が高いのは「Stargazer」
明らかにミックスの段階でドラムの音量がでかいのもありますが、どんなフレーズを叩きだすのか緊張感に満ちています。まぁ、これ以降ワンパターンとも言われてますが...
この時期のレインボーはコージー無しでは成立しない程の存在感です。
これをきっかけに、スーパードラマー扱いに。
日本でも大人気!
トレード・マークであった鋲付きのリスト・バンドも普通に楽器屋で売ってました。
当時はスティーヴ・ガッドとか流行っていた時期ですが、中坊は断然コージー派。わかりやすく派手なツー・バスのプレイは一斉を風靡しました。男らしいルックスも人気のあった要因。当時太ってしまったボンゾよりも断然人気。
コージーのディスコグラフィーを追っていくと、ジェフ・ベック・グループに在籍していたことがわかり、早速購入。
コージー在籍時の2枚のアルバムはベックの歴史の中でも傑作と呼ばれていますが、コージー側の視点から見ると、ドラムの音量がオフ気味で不満。当時、中学生だった私には大人すぎる出来というのも不満に思う理由でした。お恥ずかしい。
今となっては大好きですが。
レインボーの人気も絶頂の時期に、日本からの企画でコージーのソロアルバムが発表されます。
名作です。ジェフ・ベックのインスト路線を更にロック色を強くした感じで、参加メンバーもマックス・ミドルトン、ジャック・ブルース、ドン・エイリー、ゲイリー・ムーア! しかし一番目立ってるのは、やはりコージーで、ドラマーが主役のアルバムでは一番の成功例ではないでしょうか。
当時のライヴが残っています。
燃えます!
このあと、色々なバンドを渡り歩きますが、人柄がよほど良いのか、コージーの悪口を言うミュージシャンは皆無。正に男の中の男!
惜しくもバイク事故で故人となってしまいましたが、改めて凄いと思い直しました。つうか、格好イイ!
- アーティスト: Emerson Lake & Powell
- 出版社/メーカー: Polydor / Umgd
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
当時ダメと思っていた唯一のアルバムも、結構素材としてはイイ曲もあって、聞き直して見ると結構面白かったりします。グレッグ・レイクがやる気出した最後のアルバムかも? 残念なのは音響処理と、ハモンドとムーグが入っていないこと。
キース・エマーソンとベニシアさん
キース・エマーソンが亡くなって1年半。
晩年は頻繁に来日したり、本人も親日家で奥さんも日本人と、何かと日本には縁のある人でした。
ELPはグレッグ・レイクも無くなり、もはや単なる”P”になってしまいましたが、私個人としては不思議とエマーソンが亡くなったことによるロスはあまりありませんでした。
それはベニシアさんが居たから。
ベニシアさんは毎週金曜日にNHK BSでやっている上記の番組に出ているお方で、京都在住のハーブ評論家。
私の家庭では、チャンネル権が私にないので、ロハスな妻が毎週見ているこの番組。強制的に見る羽目になっています。
そこで、ベニシアさんを知ることになるのですが、似てないですか?エマーソンに..
というだけの話なんですが、毎週見ているので、追悼キース・エマーソンという感じになりません。
ちなみにベニシアさんは1950年生まれ。イギリスの寄宿舎付きの学校卒業後はバックパッカーになって、最後はインドを放浪して導師に弟子入り! 回り回って日本で生活というお方。 経歴を見ても音楽の趣味とかがよく分からないのですが、住んでいた所と時代背景を考えると、きっとグレイトフル・デッドとかのファンなのでは?と推測しています。
個人的にはロハスのことに全く興味がなく、庭いじりとか自然食とか論外なのですが、ベニシアさんを見ていると、楽しそうに仕事しておりまして、こういう生き方も悪くないと思えてしまいます。
番組も普通に面白いので、一度ご覧いただければと。 エゴとビジネスにまみれたELPの歴史とは全く関係のない世界です。
Tomato n'Pine
Tomato n'Pineとは?
Tomato n'Pine(トマトゥンパインと読みます)は日本のアイドルユニット。活動期間は2009年〜2012年。
2010年からはアイドル戦国時代と呼ばれているそうでして、
上の記事を見ても、あまりにもグループの数が多すぎてよくわかりませんが、ブームにもかかわらず、テレビの歌番組は減少し、CDも売れる世の中ではないので露出の機会もなく、必然的にマニアックの世界になってしまいました。ほとんどプログレかデス・メタルみたいなもんです。私も知っているのはAKB界隈とももクロちゃんぐらいなもんですが...
そういう時期に活動していたのが”Tomato n'Pine”でして、大きな結果を残すわけでもなく解散。その後の個々人の活動もアンダーグラウンドなものになっているようです。
それで詳しいことは私も良く分からず、メンバー個々にもほとんど興味がないのですが、わざわざ取り上げるのは1曲、印象的なのがあるわけです。
「ワナダンス!」という曲です。
どうすか!
オケだけ聴くとアリフ・マーディンかクインシー・ジョーンズって感じですが、その上にヘナヘナなヴォーカルが乗るという完璧な出来栄え。
これはプロダクションの勝利!と言いたいところですが、結果として数字が残せていないのが残念。
少し楽曲紹介をしようと思うのですが、その前に私が思うアイドルの定義を。
私が考えるアイドルの定義
未成熟
成長していく過程を見守るというのが正しい見方。最初から歌も踊りも完璧なんていうのは苦手としてまして、小泉今日子とかそういえばピンときてませんでした。現在の方が好きかも?
失敗する部分も含めて愛でましょう。
一生懸命
テクニックのない分、気持ちでカヴァー!とりあえず外しても大きな声で歌っている姿に萌えを感じるわけです。
初期の松田聖子なんか、こんな感じだった気がします。
楽曲と不釣り合い
アイドルの場合は「ほつれ感」が大事。楽曲がゴージャスなほど落差が生まれ、萌えの要素に繋がるわけです。
その意味で完璧だったのがコレ。
中森明菜のデビュー曲で、作曲が来生たかお、編曲が船山基紀という豪華版。
でも多分ご本人にキーが合ってないんでしょうね。精一杯な感じがたまりません。
かわいい
当たり前ですね。
プロダクション
この曲を知ったのは、ライムスターのラジオで。
時折アイドル特集などをやっていたのですが、その中での一押しがコレでした。
ユニット全体のプロデュースをしていたのが、ジェーン・スー女史で、この人はライムスと同じ、早稲田大学の「ソウル・ミュージック研究会」出身。完全にヒップホップ側の人ですが、楽曲を作るにあたって、明確なビジョンがあったのでしょう。この曲では作詞も担当。
作曲は田中隼人というお方。
ナオト・インティライミなんかを手がけているようですが、主にダンス・ミュージックが得意なようです。
詞はクラブDJをテーマにしたものですが、楽曲アレンジの仕上がりとして想定しているのは多分、クインシー・ジョーンズが絡んでいた頃のルーファスとマイケル・ジャクソン。年代でいうと1978年から1979年の期間で、特にマイケルの「オフ・ザ・ウォール」
なのでは?
楽曲解説
イントロのドラムからモータウン・ピックアップのタイム感を意識したもの。最高!
続いて入ってくる拙いコール・アンド・レスポンスに絡むのがフェンダー・ローズとクラヴィネット。わかっていらっしゃる。
ドラムがリズムを刻むと同時に入ってくるストリングス・アレンジの元ネタは多分コレ。
ベースラインはマイケル・ジャクソンのこの曲に似た感じ..という発注があったはず。
全体の感じもマイケルの「Rock with you」みたいな感じで..
多分、完成形としてこの曲は頭にあったはず。
全体的に特筆すべきは、ドラムのタイム感で、当時のクインシー御用達のドラマー、ジョン・ロビンソンのタッチにそっくり。多分打ち込みでしょうけれど、良くシュミレートできています。
当然、メロディーもフックの効いた良いラインで、カラオケで流行っても良いぐらい。
ハモり入れないで、ユニゾンにしたのは正解ですね。一生懸命感が伝わります。
とにかく入るシンコペーションもナイス! 極端に洋楽テイストに流れず、歌謡曲として成立する役目を果たしてます。
78〜79年のブラック・ミュージック・シーン
1977年にサタデー・ナイト・フィーバーの公開があり、世界的にはディスコブーム。アーティスティックな人にはスティービー・ワンダーやマーヴィン・ゲイとかがおりましたが、この2人はモータウン所属にも関わらず、レコード会社の意向に逆らって、しかも売れていたという稀有なお二方。
そんなん中、モータウンの看板であるジャクソン・ファイヴのリード・ヴォーカルであったマイケル・ジャクソンがエピックに移籍し、ソロ・アルバムを作るにあたって制作を仕切ったのがクインシー・ジョーンズ。
プロデュース業はもちろんですが、ソロ作も多く、マイケルに呼ばれたのは前年にヒットした、この曲の存在が大きいと思われます。
同時期にルーファス&チャカ・カーンのプロデュースもしています。
というか、マイケルと兄弟作ですね。
アリフ・マーディンはクインシーの盟友ですが、ソングライターとしての才能はもちろんのこと、プロデュサーとしてはブルーアイドソウルの形成に大きな役割を果たしています。
代表的なのはこの辺。
この時期でのアリフの一番の成功作は冒頭の方に紹介した、チャカ・カーンのソロ作で、ルーファスとしての活動も含め、チャカの黄金期。
70年台後半は、このようにクインシーとアリフの元に実力派のミュージシャンが集まってシーンを形成していましたが、80年台に入ると、ポリフォニックシンセやシンセベースの導入、その後打ち込みが流行ったり、ロック・シーンに迎合する面が出てくるなど、徐々につまらなくなってきます。(個人的には)クインシーの常連にもTOTOのメンバーが入ってきてから、様相が変わってきます。
マイケル・ジャクソンの「スリラー」が82年。ここからがマイケルのスーパー・スターとしての本番ですが、前作でのソウルフルでありながらも、おしゃれな感覚は希薄。そりゃ白人も買うわな! という感じで、個人的には今でもあまり好きじゃなかったりします。(といっても、世界で一番売れたアルバムなので、自分のように嫌いというのは少数派!)
まとめ
まぁ、そういうわけで70年後半のソウルシーンが、いかに素晴らしかったかという、個人的な感想に終始してしまいましたが、ここをターゲットにした、この曲の製作陣は偉い!という話をしたかっただけです。
「ワナダンス!」は本当秀逸なトラックですが、チャカ・カーンが歌っていれば..とも思わずに入られません。が、多分迫力はあっても魅力は半減するでしょう。それほどトマパイのヘナヘナ感がマッチしています。
今回は「ワナダンス!」だけ紹介しましたが、他の曲も秀逸。ここの製作陣はすごい!(売れなかったけど...)
まるで、ブラザーズ・ジョンソン!!
ブログタイトルに反した記事だったので、最後に「プログレ」「アイドル」で検索したのがこちら。
良いんですけど、こういう完成度はアイドルには不要。
もうとちょっと下手な方が、個人的にはフィットするのですが...
ジェフ・ベック 恋は水色
最近私の周りのブロガーさん達は何故かジェフ・ベックに関して言及されておりまして、しかも何故か第1期JBG。
ジミヘンが渡英してくる前のイギリスのギターシーンは、流麗なソロを弾くエリック・クラプトンとトリッキーなプレイと硬質な特徴のジェフ・ベックというヤードバーズ出身の2人がシーンを牽引。
上のはベック在籍時のヤードバーズの映像ですが、既に予測を裏切るソロ構成しかしないベック節を確立しています。
この後、ジミー・ペイジを入れたツイン・ギター編成になるのですが、シングル1枚でベックがリタイア。
マネージャーのミッキー・モスト主導でソロ活動に移ります。
既にクリームやジミヘンの時代なので、ベックもブルースをベースにしたハードロックをやろうという思いはあったようですが、ミッキー・モストが用意した曲はハード・ロックとは程遠いポップな曲。しかも結構売れてしまいます。
日本はともかく、イギリスの人はベックといえば、この曲!という人が結構な割合でいるそうでして...ベックも思い出したようにライヴで披露してます(ギャグとして)。
この路線でのシングルというのが3枚続きまして、その3枚目となる最終作が「恋は水色」。
このジャケットは70年代の後半に出ていた「ベスト・オブ・ジェフ・ベック」のジャケ。タイトルだけに結構持っている人も多く、何せジャケットがベック史上でも1、2を争う格好良さ!内容は1期JBGの編集版ですが、問題のシングルが3曲目に入ってます。
知っている曲ではあったのですが、いきなりのストリングスとブラスによる大げさなイントロにまず爆笑。やる気のない企画の割には、真面目に弾いてまして、特にサビの部分はダブル・チョーキングが炸裂!しっかりベックの刻印が残っています。多分、周りのミュージシャンにも笑われたのでしょう。これ以降、この路線は封印し、ハード・ロックの道へ! ついでに言っておくと、この曲のB面はロッド・スチュワートをヴォーカルに据えた、ソウル・バラードの名曲。
ちなみに原曲は「ユーロビジョン・コンテスト」という由緒正しいコンテストの入賞曲。ルクセンブルクのヴィッキーという人が歌ってます。下のがコンテスト時の様子。
なかなか、エキゾチックな歌唱ですね、ヴィッキー! ちなみゲス不倫の方はベッキー。
下の映像は同年の映像ですが、化粧も変わり、イカす女に変身!女は恐ろしい...
翌年、イージー・リスニングの帝王ポール・モーリアのカヴァーが全米で大ヒット!
ビルボードのシングル・チャートでも5週連続1位という記録を達成。ちなみに1968年の年間チャートでもビートルズの「ヘイ・ジュード」に続く2位。
ジェフ・ベックのヴァージョンと比較すると、割と控えめなアレンジ。いかにベックのアレンジがエグいかがわかります。
ついでにポール・モーリア御大のライブテイクも。なんと千秋真一ばりに弾き振りです。
ベック自身も黒歴史と思っているらしく、再演なんてのも勿論なく、話題にすらしないですが、個人的にはたまに無性に聴きたくなります。
「パリの散歩道」で踊るなら、こちらを使って頂きたいと思っています。羽生結弦くんに!
後年、名作「ワイアード」で、セルフ・パロディー的に「ラヴ・イズ・グリーン(恋は緑色)」という曲を発表。隠れた名曲ですが、これもライヴでは聴いたことがないですね。
初音ミクとプログレ
最初に
昨日投稿した記事が何故か大勢の方々にブックマークして頂きまして、今朝起きてびっくり。普段100PVくらいのアクセス数がとんでもないことに!
本当にありがたいことですが、何かマズイことでも書いて炎上したのかと思いました。上西小百合の気持ちがちょっとわかりました。
そもそもニッチな題材しか扱っていないので、PV数が多くなるのが異常事態。特に目立とうと思って書いたものでもなく、どっちかというとPV数狙っていたのはこの記事。
テレビ体操のお姉さんより、ジェントル・ジャイアントの記事の方がPV数が多いというのは、日本はまだまだ健全なのかと。
もしくは安易に「パフューム」なんて単語を使ってしまったからのか? ネットというのは恐ろしいものです。ちなみにパフュームではのっち派。
そういえば、同じ小節内で奇数連譜が同時進行している状態は、ポリリズムではなく、クロスリズム!というご指摘をブックマークしていただいた方々に頂きました。なるほど、勉強になりました! 今までクロスとポリって同義語だと思ってました。ご指摘感謝いたします。
こんな記事でも、きっかになってジェントル・ジャイアントの売上が伸びて、彼らの老後の生活に寄与できれば良いなと思います。売れるわけないか。
ちなみにオススメはこの2枚。
というわけで、本当は「衆議院議員の美人ランキング」とか「小沢ガールズの現在」とかいうお題で書こうと思っていたのですが、再び音楽の話題を。
初音ミク
私のパソコンにも「Garage Band」というDAWソフトが入っておりまして、楽器の弾けない人にもパソコン上で音楽を創れる時代になりました。私もYMO世代なので、こんなにシーケンサーが安価に普及するとは思いもよらなかったです。Roland MC8が120万円という時代知ってますからね。
上が私のGarage Bandの作業の様子。会社のPR動画とかのBGM作りで使用してます。ドラマーは常にローガンという、もろボンゾの音色を使用。
で、簡単なものだと私でも作ることができるのですが、Garage Bandの最大の欠点は変拍子対応ができないこと。というか、曲中での拍子変更ができないのです。
以前ジェネシスの「Firth of Fifth」を4拍子解釈で打ち込もうとトライしましたが、途中で断念したまま放置しました。私には無理! ただしアップルの上級機種、ロジックプロにすると変拍子対応もできるそうですが...
という話はさておき、楽器の音源だけではなく、音声合成システムに実際に歌詞を歌わせる機能をもたせたのが「VOCALOID」。そのシステムの音源として発表されたのが「初音ミク」。
開発したクリプトンという会社は札幌にございまして、街中にも初音ミクをペイントした電車なんぞが走っております。実際に聴いたことのない市民もキャラクターだけはお馴染みな存在。
もう発売から10年近く経っていますが、なかなか消せない人工感と萌えの要素もあり、未だに人気商品。
プロの世界でも飛び道具的に使用されてますが、菊地成孔率いるDCPRGは初音ミクにラップを歌わせるという試みを行っています。
ちなみに生の演奏より、打ち込みの方に膨大な時間がかかったそうです。
プログレ関連のボカロ曲
色々なクリエイターが動画サイトなどにオリジナル曲を発表していますが、中には既存曲を限界までシュミレートした、鬼のようなカバー曲も多数発表されています。
というわけで、プログレ関連に絞って紹介していきます。
クラフトワーク
音数的にもDTMに向いている素材で、元のヴォーカルもドイツ訛りなので、マッチングもOK! 本家よりもこっちの方が良いかも。
ケイト・ブッシュ
素材的にも初音ミクにピッタリですが、なかなかの再現具合です。
残念なのはラストのギター・ソロのパート。かなりのシュミレート具合ですが、さすがに本家はデイヴ・ギルモアなのでこれは無理か?
ジェネシス
もともとテクノ感覚あふれる曲なので、良い感じ。フィル・コリンズのコブシを回した熱唱の代わりに初音ミクが入ると脱力具合がハンパないです。
元のデモテープってこんな感じだったのかも。
カンサス
超有名曲ですが、3フィンガーのアコギは打ち込みに置き換わると、スクエア過ぎるかも。
マグマ
まさかのカヴァー! ただ脱力も極まったり。歌詞は架空の言語、コバイア語ですが、どうやって入力したんでしょう。
これだけは元曲も入れておきます。
UK
意外とブラッフォードのドラムは打ち込み向きかも?
オケはかなりいい線いってます。初音ミクのヴォーカルが入ることによって、ジョン・ウェットンの偉大さを再認識しました。ちょっとフラット気味に歌ってくれないと感じでないですね。
アラン・ホールズワースのギター・ソロをどう処理するのか期待しましたが、なんと初音ミクのヴォーカルに置き換える反則技!
フォーカス
こんなのもありました。世紀の怪曲ですが、アイデア賞もんです。
ヴォーカル以上に、ドラムの打ち込みが完璧!
ELP
このアレンジはなかなかのもの。
ハンドクラップなどの余計な音も結構入ってますが、勢いのあるいい出来です。ムーグとオルガンの音は完璧!
これは音数は少ないですけど、打ち込み難しかったんじゃないですかね。ドラムはニック・メイスンに聞こえます。かなりスネアの位置なんか小節ごとにいじったんじゃないでしょうか?
初音ミクは熱唱!
イエス
シベリアン・カートゥルはギターとベースを生音源使っているテイクもあったのですが、全てデータでやってるこのテイクをチョイス。ほぼ完璧です。
最後のギターソロが無いのが残念。あとイエスのコーラスを入れる場合は、一人音痴を入れておかないと雰囲気でないですね。スティーヴ・ハウの役で。
今回チョイスした作品の中で、一番の力作はこれ! 再現度ハンパないです。
特にキーボードはパトリック・モラーツ本人と言われても分からない出来。
完成まで一体どのくらいかかったのやら...
さすがにリズム隊は本家の迫力は出せないみたいですね。
キング・クリムゾン
最後はクリムゾン。
このディシプリンはアイデア賞もの。ギターの代わりにデュエットしてます。
アニメもかわゆす。
いい出来なんですけど、メロトロンのサンプリング音源使って欲しかったですね。
最後は21バカ!
もの凄いテイクです。これ作った人はきっとドラマー! 完璧にマイケル・ジャイルズの譜割りですもの。ギターソロも本物かと思いきや、よく聞けばシンセの音。
問題のユニゾンパートもきっちり合わせてこないところが流石。わかっていらっしゃいます、このクリエイターさん。
一番凄いのが、エンディングのリズムが崩れた部分で、完コピ!
どうかしてるぜ!!
最後に
しかし、どのクリエイターさんももの凄いといいますか、とても自分にはやる気になりませんが、一体、誰に向けて作ってるんでしょう? 俺か。
探した限りにはボカロでフランク・ザッパとかないようなので誰か作ってくれないでしょうか。ビョークなんていうのもなかったですね。
というわけで、読んで頂きありがとうございました。次回は「小沢ガールズ」をテーマに書きたいと思います。
ポリリズム
パフュームの名を上げた「ポリリズム」は本当名曲ですが、当初はアレンジも曲調も過激すぎるとして、スタッフはシングルカットには反対だったそうです。
確かにアイドル歌謡としては分かりやすいフックもなく、最先端のテクノ・アレンジなので、マーケティングを考えると躊躇するのも理解できますが、プロデューサーの中田ヤスタカの強力推しで無事にシングル・カットへ。末端のリスナーの感覚はもっと高度の物を求めるという判断だったそうですが、慧眼ですね。
それで、「ポリリズム」とは何かというと、
ポリリズム(英: polyrhythm)は、楽曲中、または演奏中に、複数の異なる拍子が同時進行で用いられている音楽の状態の事である。ポリリズムのポリは「複数の」なので「複数のリズム」を意味する。
引用:Wikipedeiaより
例えば、4/4拍子で進行している曲中に、同拍子の2拍3連を同時進行させるというのが、一番ポピュラーなのですが、他にも4拍子の曲と変拍子の曲を同時進行させるとか様々なパターンが存在します。
聴いている方には違和感を与えると共に、音楽に集中させる効果を与えますが、演奏する方にとっては大変な緊張感を強いるモノだったりします。
上記のパフュームの曲も最初のサビが終わったパートの部分で、4拍子と5/8のポリリズムが登場。曲の4拍子に合わせてリズムをとってみましょう。メロは変拍子なのに途中で霧が晴れるようにリズムが戻り、爽やかに場面が切り替わります。
そうそう歌謡曲やJ-POPでは出てこないものなので、この曲は貴重かもしれません。(といって調べてみると、円広志の「夢想花」がポリリズムの該当曲にピックアップされていました。ごもっとも)
クラシックの中には結構出てくるのですが、そこまでいくとバッハの昔からメロはポリフォーニーで進行しているので(しかも高速!)、効果としてはポリリズムに近いものがありますが、有名なところではホルストの惑星での第4曲「木星」など。
ジャズにおいては、ドラムのアクセントやシンコペーションを入れたりするテクニックとして、ポリリズム的アプローチは頻繁に聴かれます。その開祖としてエルヴィン・ジョーンズという人がおりまして、アプローチの仕方とコルトレーン・カルテットでの演奏の動画がありましてので、そちらを。
両手はメロディーやアドリヴに対してアクセントを入れ、左足のハイハットで定形の2拍、4拍にアクセント。右足のバスドラは三連譜の一番後にアクセントを入れるなどして、ポリとしての効果を出しているのですが、全体で聴くと猛烈にスイングしているという名人芸。バックのピアノやベースはリズム取るのが大変!
コルトレーン・カルテットに対しての、もう一方の勇、マイルス・デイヴィス・クインテットにはトニー・ウィリアムスという驚異のドラマーが加入。こちらは定形のリズムは右手のシンバルのみで、ハイハットの位置が定形では入らないという特徴があり、リズムを見失わないよう、メンバーの緊張感は半端なかったと思います。ましてリーダーは怖そうだし。
時は流れて70年代前半のマイルスはエレクトリック化の推進と同時に、ポリリズムを採用。「オン・ザ・コーナー」という有名作を残しますが、ここではリズムの洪水のような「レイテッド・X」を。トランペット吹いてないのがミソです。
フリージャズの開祖。オーネット・コールマンも70年代はポリリズムの時代。
アフリカンとしてのルーツを意識した、重層的な音楽を展開します。リズム解釈はもちろん、メロディーもポリ。「ハーモロディクス理論」というそうですが、ご本人の説明を聞いてもサッパリわからない代物で、下手にしか聞こえないのだけれども、全体としては合ってたりしていて...正直、愛聴してます。
それで、オーネットからパクったと、ジョンジーが自ら証言していたのが、ZEPのブラック・ドッグ!
リフの塊で考えると変拍子なのですが、ボンゾのドラムは2拍子。
ジミー・ペイジのアクションと重ねてみると、どこが拍子の頭かよくわからないのですが、死ぬ前に正式な解釈をペイジから聞いてみたいものです。
ジャズ界ではポリの解釈が理論的に進み、最たる成果が菊地成孔率いる、DCRPG!
全編にわたっての集団即興によるポリリズム演奏。
さらに、菊地成孔のサイド・プロジェクトから派生した、「東京ザヴィヌルバッハ」
本来打ち込みで行なっていた無茶な演奏を、人力でやってます。
しかし、凄い名前ですね。バッハとザヴィヌルですから。
プログレ畑での有名な使用例としてはキング・クリムゾンの「偉大なる詐欺師」
4拍子のイントロが終わってブレイクした途端のリズム解釈が極端な例でして、超格好いいんですが、種明かしは2拍3連のリフに合わせてベースがアクセントをつけているというもの。演奏する方は大変でしょう。
これをベース弾きながら歌ってるジョン・ウェットンは驚異的!
ベースとドラムだけのオルタネイト・テイクも発表されてます。
ドラムは思った以上に細かいプレイだったんですね。
フリップ尊師のギタープレイも相当変ですが、多人数でやるともっと気持ち悪いという例がこちら。
この曲でアンサンブルしようと思う気持ちがわかりません。でも楽しそう!
味をしめたのか、ウェットンとブラッフォードは同じようなアプローチをUKでもやってます。「精神療法」のブレイクの部分。
ドラムカヴァーの動画で秀逸なのがあったので、そちらで。
イエスで有名なのは「着実な変革」の真ん中のパート。
6/4+8/4の大きなリフに対して、16/7のリフが並走。
ちょっと強引かな。
上記は3rdの曲ですが、「こわれもの」になると使用もこなれてきます。
代表的なのはブラッフォードのこれ、「無益の5パーセント」
ギターの入る位置が変。
次回作「危機」になると曲中随所にポリリズミティックなアプローチが見られるようになり、使用もかなり自然。特にヒラ歌の部分ですが主にリズムを崩すのはベースのクリス・スクワイアの役目。しかも全編ベース弾きながら歌いっぱなし。
今回はイントロのギター・プレイを。良くこんなフレーズを考えたものです。
80年代クリムゾンはエイドリアン・ブリュー加入とともに、ギター2本でのミニマル的なポリリズムを展開。
90年に入ってからも、この手法は継続し、最終的な回答と言えるのがこの曲。エクセレント!
さて、ポリリズムというと必ず名前が挙がるのが、ジェントル・ジャイアントでして、
どの曲のリズムも変なのですが、複雑な演奏の上に全員コーラスも出来て、しかも全員がマルチ・プレイヤー。その上仕上がりはポップという不思議なバンド。
譜面にすると、きっと真っ黒。曲全体をアナリーゼしている人は見たことがありませんが、ほぼ数学の問題のようなもの。頭良くないと出来ません。
厳密にいうとキューバ音楽とか、ブラジルのサンバ、リトル・フィートとかのセカンド・ラインやレゲエなどもポリリズムという解釈になるのでしょうが、今回は白人的なギクシャクしたポリリズムの使用例を紹介いたしました。でもジェントル・ジャイアントだけは別格。あまりにも使用が自然すぎて..しかも、笑顔で演奏してます。その上、あまり売れなかったと...
ラウドネス
i-tunesのシャッフル機能をオンにして散歩をするのが日課なのですが、いつもはテーマ別に分けたリストを聞いています。「プログレ」やら「ザッパ」とかで朝から変拍子まみれなのが習慣になっていますが、今日は所有曲の全曲シャッフルで散歩していたところ、まずかかったのがグローバー・ワシントン・Jrの「クリスタルの恋人たち」。しかし何て邦題だ!
この曲の主役は完全にリチャード・ティーのエレピ! ドラムはスティーヴ・ガッドでベースはマーカス・ミラー。サイドマンは全部自身の痕跡を残しているような名演で、本来の主役であるグローバー・ワシントン・Jrが一番どうでもいいですが、朝からこんなオシャレな曲を聴くの久しぶりで、こういう朝も良いもんだと感慨に浸っていたところ、突如かかったのがコレ!
目、覚めちゃいましたよコリャ。気合入りました。
早いナンバーではなくシャッフルというのが良いですね。しかも正直リフがダサいのが逆に格好いい!
この後、シャッフルはオフにしてラウドネスをひたすら聴く羽目になりまして、散歩の速度も速くなりましたが、メタルは散歩に向かないですね。しかもラウドネスは結構変拍子も多かったりして。
LAZY
私の中学生時代は1977~1980年。
その当時のハードロック系のバンドといえば、まだ一応ツェッペリンが現役。その他キッスとクィーン、エアロスミス、レインボー、ヴァン・ヘイレンといったところで、まだヘヴィーメタル勃興前。私の田舎では局地的にスコーピオンズが流行っていたのですが、果たして全国的にはどうだったのでしょう?
日本では山本恭司率いるBOW WOWがいたのですが、途中でポップの路線に変更しておりまして周りに熱心のファンはいなかったですね。
その当時、チャーや世良公則&ツイスト、サザンオールスターズなどがテレビに出始めまして、お茶の間でもロック・バンドが観れる時代になりましたが、私好みのブリティッシュ・ハードロックの影響を受けているバンドなどはテレビに出るはずもなく、実際にハード・ロックでメジャーからレコード出していたバンドはいなかった気がします。
という状況の中で、レイジーというバンドがおりまして、ベイ・シティ・ローラーズのブームの余波の中、アイドルバンドとしてデビュー。頻繁にテレビにも登場していたのですが、普段レインボーなんぞ聴いていた輩には口汚く罵られていました。実際には楽器も超上手いのですが何故か下手呼ばわりされてましたが、私も周りの同調圧力で「レイジーなんて..」という発言してました。まぁ中二病ということで許して欲しいと。
それで、「赤頭巾ちゃん御用心」なんていう完全なアイドルサイドの曲が有名なんですが、今も見ると本当上手いです。この振り付けやりながら演奏できるなんて凄いの一言。ギターのカッティングの音もやるせない感じでたまらないですが、やはりハンバッカーの音はカッティングには向かないですね。
使用機材も中学生にとっては高嶺の花子さんの機材ばかりで、羨ましかったです。ハモンドとギブソンのフライングVですから。
それで歌謡曲サイドのオリジナルばかりではなく、テレビではたまに洋楽のカヴァーも披露していまして、自分の記憶にあるのはレインボーとフォリナーの「ダブルヴィジョン」 動画探しましたが残念ながらなかったのですが、マイケル・シェンカーのカヴァーを発見!!
問題は本家のマイケルよりも上手いことでしょうか。
そしてメンバーも年をとってきてアイドルとしての賞味期限が切れかけた頃に、突如ヘヴィーメタルなナンバーを発表します。
普段は「レイジーなんて..」とバカにしていた中坊達も、実はレイジーが超上手いというのは気づいていまして、この「Dreamer」という曲は楽器少年には概ね好評。
私の世代ではほとんどの人間がコピーしたのでは?という名曲で、そういう私も散々やらされました。初顔合わせのセッションで全員知ってたのがこの曲というシチュエーションは何度か経験いたしました。
全く余談ですが、後年私が所属していたファンク・バンドが何故かレイジーのヴォーカルの影山ヒロノブ氏の前座をやることになりまして、超のつく良い人でした。
その時のライヴハウスの客数が実券で13名。プロの世界は厳しいと思い知らされました。まだドラゴンボールでお子様の人気者になる前の話です。
この曲を発表した当時は、イギリスでは既にアイアン・メイデンがデヴューし、徐々にヘヴィー・メタルのシーンが形作られてきた時期で、日本でもそういうバンドが出ないかなと思っていたところに、レイジーが解散して、中核メンバーが新しいバンドを作るという情報が! 先に音を聴く前に音楽雑誌でアー写が発表になりました。名前も「ラウドネス」と発表!
ラウドネス デビュー
確か当時は、ジュダース・プリーストがようやく衣装を革で統一したくらいの時期で、メタルバンドの衣装も試行錯誤の時期。今見るとGジャンとアニマル柄はダサい気がしますが、元祖ともいえるラウドネスのファッションがコレなので、それをコピーしているアマチュアバンドはもっとダサかった! ヒョウ柄や日章旗、ナチスの鉤十字やメッシュまでなんでもありでした。
そういえば当時はまだ金髪はいなかったですね。
ビジュアルはともかくとして、音の方は極端なハイトーンのヴォーカルと全開の高崎晃のギターテクで一斉を風靡。アマチュアバンドも一斉にラウドネスのコピーに走ります。と言っても、ヴォーカルは1オクターヴ下で歌ってるのが多かったですね。
特に1stと2ndは、今までのフラストレーションを吐き出したような荒々しい曲が続き、気合の入った出来。もう少し推敲していけば聴きやすい内容にもなった気がしますが、ちょっとダサさが抜けきらない部分も含めて好きです。わたくし。
テクニック的な面ではジューダスよりも一段上手いバンドなので、コピーに走ったアマチュアには多大な影響を与えておりまして、特にギターの人は高崎晃のコピーをした人って多いのでは?
ドラムもそうで、今では頻繁に聴くドラムのフィルもラウドネス以降というのが結構あります。
ビリー・コブハムが使うフラム3連というのが一番有名ですが、ロックでの使用例は当時はごく少数で、ハードロックへの応用はサイモン・フィリップスかラウドネスの樋口宗孝が多分初期の有名な使用例。
その他、他ドラマーのフレーズを曲中に効果的に引用してくるのが得意で、一番有名なのはこの曲のイントロ。
ツェッペリンの「Hots on nowhere」で出てくるフレーズですが、ボンゾのはグシャッとした感じですが、ラウドネスがやると粒がはっきりした感じになります。このフィルは好きな人が多いのでしょう。メタル以外でも普通にポップな曲での使用例を多く聴きます。というか、パクってますね、ラウドネスから。 私も「ちょっと派手なフィル入れて」と言われる使ってました。
サビ前のフィルは多分、パープルの「Fireball」の応用。
コンサート
1983年に大学入学で札幌に出てきたのですが、その田舎者が最初に観たプロのロックバンドのコンサートというのがラウドネス。高校からの同期だったM君といそいそと出かけました。
当時2人は半端に髪の毛伸ばしていたのですが(マッシュルームより若干長いぐらい)、このコンサートに来ていた人々は全員立派な長髪! 自分の田舎にも長髪の人は稀にいましたが、1000人を超える長髪を見たのは初めてだったので正直ビビりました。しかもほとんどがGジャンか革ジャン。コンサート中もほぼ全員が右腕を振り上げている状態で、決めのポーズはデビルサイン!
こうでしたっけ?立てるの親指と小指だったかな?ラウドネスの場合。
このコンサートに行く直前にサードアルバムが発表になってまして、ちょっと洋風に洗練されたといいますか、普通に格好いいヘビメタになってしまいまして、私のような捻くれた人間にはちょっとがっかりした内容。若干醒めた気持ちで観に行ったのですが、演奏自体は大変満足のいく内容でした。しかし、人に酔ったのもありまして、しばらくメタルのコンサートに行くことはなくなりました。
一緒に行ったM君は大興奮で、その後メタル人生まっしぐら。順調に髪の毛を伸ばし、しまいには金髪に!就職活動の時に髪を切ってましたが、同時にロン毛のカツラを購入。その当時の購入価格が24万円で、YAMAHA DX-7が買える値段。彼にとっては必要な物だったのでしょう。
私はこのコンサート直後に飲食店でバイトをするために、あっさり髪切りました。
その後
ラウドネス自体はその後、アメリカ進出もして、もっとビッグな存在になっていきますが、私は結構薄いお付き合い。メタル自体にも一線を引く聴き方になってまして、今でも聴くメタルはメタリカぐらい。
ラウドネスが登場して一気にシーンが活性化したジャパメタのシーンも、「天才たけしの元気がでるテレビ」でテリー伊藤がいじってから一気にダサいものに。
当時メタル万歳!とか言っていた連中も、レベッカとかボウイが流行ると、あっさりそっち方面にシフト。一過性にも程がありますが...
ただし、シーンを活性化させ、海外進出まで行い、後継のミュージャシャン達のテクニックの底上げをさせたという意味でラウドネスの功績は大きいと思います。というか未だ現役だし。
個人的に好きな曲は、2ndに入っているラストの曲。元ネタは007のテーマだそうです。なるほど。