ジェフ・ベック 恋は水色
最近私の周りのブロガーさん達は何故かジェフ・ベックに関して言及されておりまして、しかも何故か第1期JBG。
ジミヘンが渡英してくる前のイギリスのギターシーンは、流麗なソロを弾くエリック・クラプトンとトリッキーなプレイと硬質な特徴のジェフ・ベックというヤードバーズ出身の2人がシーンを牽引。
上のはベック在籍時のヤードバーズの映像ですが、既に予測を裏切るソロ構成しかしないベック節を確立しています。
この後、ジミー・ペイジを入れたツイン・ギター編成になるのですが、シングル1枚でベックがリタイア。
マネージャーのミッキー・モスト主導でソロ活動に移ります。
既にクリームやジミヘンの時代なので、ベックもブルースをベースにしたハードロックをやろうという思いはあったようですが、ミッキー・モストが用意した曲はハード・ロックとは程遠いポップな曲。しかも結構売れてしまいます。
日本はともかく、イギリスの人はベックといえば、この曲!という人が結構な割合でいるそうでして...ベックも思い出したようにライヴで披露してます(ギャグとして)。
この路線でのシングルというのが3枚続きまして、その3枚目となる最終作が「恋は水色」。
このジャケットは70年代の後半に出ていた「ベスト・オブ・ジェフ・ベック」のジャケ。タイトルだけに結構持っている人も多く、何せジャケットがベック史上でも1、2を争う格好良さ!内容は1期JBGの編集版ですが、問題のシングルが3曲目に入ってます。
知っている曲ではあったのですが、いきなりのストリングスとブラスによる大げさなイントロにまず爆笑。やる気のない企画の割には、真面目に弾いてまして、特にサビの部分はダブル・チョーキングが炸裂!しっかりベックの刻印が残っています。多分、周りのミュージシャンにも笑われたのでしょう。これ以降、この路線は封印し、ハード・ロックの道へ! ついでに言っておくと、この曲のB面はロッド・スチュワートをヴォーカルに据えた、ソウル・バラードの名曲。
ちなみに原曲は「ユーロビジョン・コンテスト」という由緒正しいコンテストの入賞曲。ルクセンブルクのヴィッキーという人が歌ってます。下のがコンテスト時の様子。
なかなか、エキゾチックな歌唱ですね、ヴィッキー! ちなみゲス不倫の方はベッキー。
下の映像は同年の映像ですが、化粧も変わり、イカす女に変身!女は恐ろしい...
翌年、イージー・リスニングの帝王ポール・モーリアのカヴァーが全米で大ヒット!
ビルボードのシングル・チャートでも5週連続1位という記録を達成。ちなみに1968年の年間チャートでもビートルズの「ヘイ・ジュード」に続く2位。
ジェフ・ベックのヴァージョンと比較すると、割と控えめなアレンジ。いかにベックのアレンジがエグいかがわかります。
ついでにポール・モーリア御大のライブテイクも。なんと千秋真一ばりに弾き振りです。
ベック自身も黒歴史と思っているらしく、再演なんてのも勿論なく、話題にすらしないですが、個人的にはたまに無性に聴きたくなります。
「パリの散歩道」で踊るなら、こちらを使って頂きたいと思っています。羽生結弦くんに!
後年、名作「ワイアード」で、セルフ・パロディー的に「ラヴ・イズ・グリーン(恋は緑色)」という曲を発表。隠れた名曲ですが、これもライヴでは聴いたことがないですね。