老人とプログレ

介護施設での現場のお話。プログレ、ハードロック等の音楽話。・・その他、日々の雑記、ファイターズの話題等・・

初老の介護施設管理者。経過観察&ぼやき To be a ROCK! Not to ROLL!

ポリリズム

パフュームの名を上げた「ポリリズム」は本当名曲ですが、当初はアレンジも曲調も過激すぎるとして、スタッフはシングルカットには反対だったそうです。

確かにアイドル歌謡としては分かりやすいフックもなく、最先端のテクノ・アレンジなので、マーケティングを考えると躊躇するのも理解できますが、プロデューサーの中田ヤスタカの強力推しで無事にシングル・カットへ。末端のリスナーの感覚はもっと高度の物を求めるという判断だったそうですが、慧眼ですね。

 

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それで、「ポリリズム」とは何かというと、

ポリリズム: polyrhythm)は、楽曲中、または演奏中に、複数の異なる拍子が同時進行で用いられている音楽の状態の事である。ポリリズムのポリは「複数の」なので「複数のリズム」を意味する。

 

引用:Wikipedeiaより

 

例えば、4/4拍子で進行している曲中に、同拍子の2拍3連を同時進行させるというのが、一番ポピュラーなのですが、他にも4拍子の曲と変拍子の曲を同時進行させるとか様々なパターンが存在します。

聴いている方には違和感を与えると共に、音楽に集中させる効果を与えますが、演奏する方にとっては大変な緊張感を強いるモノだったりします。

 

上記のパフュームの曲も最初のサビが終わったパートの部分で、4拍子と5/8のポリリズムが登場。曲の4拍子に合わせてリズムをとってみましょう。メロは変拍子なのに途中で霧が晴れるようにリズムが戻り、爽やかに場面が切り替わります。

 

そうそう歌謡曲やJ-POPでは出てこないものなので、この曲は貴重かもしれません。(といって調べてみると、円広志の「夢想花」がポリリズムの該当曲にピックアップされていました。ごもっとも)

 

クラシックの中には結構出てくるのですが、そこまでいくとバッハの昔からメロはポリフォーニーで進行しているので(しかも高速!)、効果としてはポリリズムに近いものがありますが、有名なところではホルストの惑星での第4曲「木星」など。

 

ジャズにおいては、ドラムのアクセントやシンコペーションを入れたりするテクニックとして、ポリリズム的アプローチは頻繁に聴かれます。その開祖としてエルヴィン・ジョーンズという人がおりまして、アプローチの仕方とコルトレーン・カルテットでの演奏の動画がありましてので、そちらを。 

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両手はメロディーやアドリヴに対してアクセントを入れ、左足のハイハットで定形の2拍、4拍にアクセント。右足のバスドラは三連譜の一番後にアクセントを入れるなどして、ポリとしての効果を出しているのですが、全体で聴くと猛烈にスイングしているという名人芸。バックのピアノやベースはリズム取るのが大変!

 

コルトレーン・カルテットに対しての、もう一方の勇、マイルス・デイヴィスクインテットにはトニー・ウィリアムスという驚異のドラマーが加入。こちらは定形のリズムは右手のシンバルのみで、ハイハットの位置が定形では入らないという特徴があり、リズムを見失わないよう、メンバーの緊張感は半端なかったと思います。ましてリーダーは怖そうだし。

時は流れて70年代前半のマイルスはエレクトリック化の推進と同時に、ポリリズムを採用。「オン・ザ・コーナー」という有名作を残しますが、ここではリズムの洪水のような「レイテッド・X」を。トランペット吹いてないのがミソです。

 

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フリージャズの開祖。オーネット・コールマンも70年代はポリリズムの時代。

アフリカンとしてのルーツを意識した、重層的な音楽を展開します。リズム解釈はもちろん、メロディーもポリ。「ハーモロディクス理論」というそうですが、ご本人の説明を聞いてもサッパリわからない代物で、下手にしか聞こえないのだけれども、全体としては合ってたりしていて...正直、愛聴してます。

 

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それで、オーネットからパクったと、ジョンジーが自ら証言していたのが、ZEPのブラック・ドッグ!

 

リフの塊で考えると変拍子なのですが、ボンゾのドラムは2拍子。

ジミー・ペイジのアクションと重ねてみると、どこが拍子の頭かよくわからないのですが、死ぬ前に正式な解釈をペイジから聞いてみたいものです。

 

ジャズ界ではポリの解釈が理論的に進み、最たる成果が菊地成孔率いる、DCRPG

全編にわたっての集団即興によるポリリズム演奏。 

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さらに、菊地成孔のサイド・プロジェクトから派生した、「東京ザヴィヌルバッハ

本来打ち込みで行なっていた無茶な演奏を、人力でやってます。

しかし、凄い名前ですね。バッハとザヴィヌルですから。

 

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プログレ畑での有名な使用例としてはキング・クリムゾンの「偉大なる詐欺師」

4拍子のイントロが終わってブレイクした途端のリズム解釈が極端な例でして、超格好いいんですが、種明かしは2拍3連のリフに合わせてベースがアクセントをつけているというもの。演奏する方は大変でしょう。 

これをベース弾きながら歌ってるジョン・ウェットンは驚異的!

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ベースとドラムだけのオルタネイト・テイクも発表されてます。

ドラムは思った以上に細かいプレイだったんですね。

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フリップ尊師のギタープレイも相当変ですが、多人数でやるともっと気持ち悪いという例がこちら。

この曲でアンサンブルしようと思う気持ちがわかりません。でも楽しそう!

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味をしめたのか、ウェットンとブラッフォードは同じようなアプローチをUKでもやってます。「精神療法」のブレイクの部分。

ドラムカヴァーの動画で秀逸なのがあったので、そちらで。

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エスで有名なのは「着実な変革」の真ん中のパート。

6/4+8/4の大きなリフに対して、16/7のリフが並走。

ちょっと強引かな。

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上記は3rdの曲ですが、「こわれもの」になると使用もこなれてきます。

代表的なのはブラッフォードのこれ、「無益の5パーセント」

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ギターの入る位置が変。

 

次回作「危機」になると曲中随所にポリリズミティックなアプローチが見られるようになり、使用もかなり自然。特にヒラ歌の部分ですが主にリズムを崩すのはベースのクリス・スクワイアの役目。しかも全編ベース弾きながら歌いっぱなし。

今回はイントロのギター・プレイを。良くこんなフレーズを考えたものです。

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80年代クリムゾンはエイドリアン・ブリュー加入とともに、ギター2本でのミニマル的なポリリズムを展開。

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90年に入ってからも、この手法は継続し、最終的な回答と言えるのがこの曲。エクセレント!

 

さて、ポリリズムというと必ず名前が挙がるのが、ジェントル・ジャイアンでして、

どの曲のリズムも変なのですが、複雑な演奏の上に全員コーラスも出来て、しかも全員がマルチ・プレイヤー。その上仕上がりはポップという不思議なバンド。

 

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譜面にすると、きっと真っ黒。曲全体をアナリーゼしている人は見たことがありませんが、ほぼ数学の問題のようなもの。頭良くないと出来ません。

 

厳密にいうとキューバ音楽とか、ブラジルのサンバ、リトル・フィートとかのセカンド・ラインやレゲエなどもポリリズムという解釈になるのでしょうが、今回は白人的なギクシャクしたポリリズムの使用例を紹介いたしました。でもジェントル・ジャイアントだけは別格。あまりにも使用が自然すぎて..しかも、笑顔で演奏してます。その上、あまり売れなかったと...

 

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