バッハとキース・エマーソン
最近読ませていただいている、スガンヌさんのブログ。本当にクラシック好きが伝わる素晴らしい記事ばかりで、毎回堪能させていただいております。
それで私といえば、クラシックとは薄い付き合い方でございまして、今回はその辺を少し。
クラシックとの付き合いはプログレ経由
洋楽を聞く前に馴染みのあったクラシックといえば、校内放送でかかるような室内楽の有名曲とか、「トムとジェリー」でBGMでかかる曲などで、ほどほど興味がないのに等しかったのですが、プログレを聴きだすと必然的にカバーしているクラシックの原曲を聴くようになります。私の中学の担任がクラシックマニアで、おねだりして借りたのが、当時ばか売れしていた冨田勲の「惑星」と、ズービン・メータ指揮の「展覧会の絵」。代わりにELP版の「展覧会の絵」を貸したのですがピンとは来なかったようです。
それで私の感想はというと、ELPがなぞっているメロとアレンジの確認という程度で、こちらもピンと来ず。冨田勲の方も「火星」以外はイマイチだったんですが、最近聴き直したんでが同じ感想。
そんなこんなで私が聴いてきたクラシックは、ほぼELPとザッパ経由で、フィットするのもバルトークとかストラヴィンスキーとか近現代に限られていておりました。実は俗に言う古典派、ロマン派はずっと苦手にしていたのですが、後年「のだめカンタービレ」を読んでようやく凄さを理解できるようになりました。と言うか漫画でクラシックの聴き方を学んだ薄いファンです。おかげで苦手としていたリック・ウェイクマンも「マジ凄いっす」と思えるようになりました。凄いけどやっぱり苦手かな。
古典派苦手と書きましたが、バッハは別でして、これも大雑把にいえばELPとリッチー・ブラックモアのおかげで刷り込まれてしまっているわけです。ロックとも非常に相性が良いバッハとは?
J.S.バッハ
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685年3月31日(ユリウス暦1685年3月21日) - 1750年7月28日)は、18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家である。 バロック音楽の重要な作曲家の一人で、鍵盤楽器の演奏家としても高名であり、当時から即興演奏の大家として知られていた。バッハ研究者の見解では、バッハはバロック音楽の最後尾に位置する作曲家としてそれまでの音楽を集大成したとも評価されるが、後世には、西洋音楽の基礎を構築した作曲家であり音楽の源流であるとも捉えられ、日本の音楽教育では「音楽の父」と称された
引用:ウィキペディアより
バッハの子供達も音楽家として活躍しているので、J.S.バッハとか大バッハと読んで区別しています。そういえばライバッハっていうバンドもおりましたなぁ。
クラシックの歴史はキリスト教会の発展とともに7〜8世紀ごろから始まっていますが、まともに楽譜として記録されるようになったのはバッハあたりからで、作曲法や技法の観点からも大バッハが始祖と呼んで良い存在でしょう。
18世紀当時は革命的であったそのスタイルは、その後、バッハ→モーツアルト→ベートーヴェン→ブラームス→ワーグナーという順番でクラシック音楽の主流派を形成していくわけでして、ロックでいえばチャック・ベリー、プロレスでいえば力道山、戦国武将でいえば織田信長のような立ち位置。
ロック界での直接引用
多分一番ロック界で使われているのはこの曲。リュート組曲から”ブーレ”
こちらはジミー・ペイジ社長による”ブーレ”3分経過ぐらいから始まります。結構弾けてる方ですね、75年までは。
イングヴェイ・マルムスティーンの”ブーレ”2分ぐらいから始まります。
しかし超うまいっす。興味ないけど。
そしてジェスロ・タル。
イントロ部分はマーティン・バレもフルート吹いていたんですね。しかし見事な一本足奏法! 一本足といえば、イアン・アンダーソンか王監督。
”ブーレ”に関しては数多くのカバーが存在しますが、その他ディープ・パープルがコード進行を借用したりなど、様々なパターンでの引用や直接カバーが存在します。
キース・エマーソンの場合
エマーソンの場合は曲ごとバンドアンサンブルでやるというのはあまりないんですが(カール・パーマーが2声のインヴェンションをやってる例はありますが)、アドリヴの中でさらっと一節を弾くというのが大体のパターン。バンド・アンサンブルで丸ごとやっているとなると、ナイス時代にやっていたブランデンブルグ協奏曲。
ちなみにELPのプロトタイプとしてしか語られないナイスですが、リズム隊上手いですよね。もし普通の音楽やるのならレイク&パーマーよりはこっちのリズム隊を選ぶはず。ネックはヴォーカルでしょうか...
ナイス時代からやっている、トルコ風ブルー・ロンドのアレンジで冒頭には、バッハのイタリア協奏曲BWV971第3楽章。
こちらはグレン・グールドが弾く同曲。超絶!!
ちなみにグールドに関しては、クラシック界の中だけの狭い評価で考えてはいけない思っておりまして、私はロックローラーとして捉えています。ジミヘンやザッパのギターソロと同様で飽きずにずっと聴いてられます。
この調子で、エマーソンのバッハに関して延々やろうと思っていましたが、検証すると直接メロを弾いているのはELPの初期までに限られているようですね。ピアノインプロとかでらしいの弾いているのありますが...
他やタルカスの「The Only Way」くらいでしょうか? ハモンドオルガンの使用頻度が減ってくるのとも関係があるかもしれません。
最後に、ELPの1stの「ナイフ・エッジ」。ハモンドソロの後半にインサートされるのが、フランス組曲第1番 アルマンド。
こちらはELPの演奏。ファンにはお馴染みのビートクラブでの映像ですが、問題のバッハの部分は譜面見て演奏してますね。間違っちゃいけないと...
最高!グレッグ・レイクが髪切る前なのでルックスもこの頃が一番いいですね。
ムーグのパッチチェンジもリボンコントローラーも登場します。
村上春樹
さて上の「ナイフ・エッジ」。原曲はヤナーチェクの「シンフォニエッタ」。
村上春樹が「1Q84」で紹介したのをきっかけに一般にも浸透した曲ですが、ELPのファンなら「何を今更」という感じで、村上春樹って実は薄いんじゃねか?と思わせるものでした。
毎年ノーベル賞獲れないのが、もう秋の風物詩といいますか、コントの域にまで達してきましたが、なんかマック赤坂を思い出します。
こうなると、もし受賞しても辞退するというのが一番格好いいかもしれません。
締め
締めは全然、エマーソンともバッハとも関係ありませんね。申し訳ないです。多分中〜後期のELPに関しては分かり易いクラシックの引用よりも、バンド単位でダイナミクスを表現できるコープランドのような現代の作曲家に興味が移っていったのでしょう。「展覧会の絵」でクラシックの有名曲に関してはやり尽くしたという思いがあったのかもしれません。まぁ再結成後は「ロミオとジュリエット」とかやってしまうわけですが...
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