新世代への啓示
クリムゾンのアルバムを聴いた順番だと、これが3番目。以前の経緯は以下に。
クリムゾンの1〜2枚目を聴いた後に、友人は手っ取り早く全体像をつかもうと、ベスト盤に手を出したわけです。で、当時出ていたベスト盤はこれだけ。1975年発表。選曲はロバート・フリップ御大。
ジャケットは書き下ろしのデザインと思いきや、何故か007のタロット・カードからの流用。何の意味があるのでしょうか?結構いけてますけど。
選曲は「宮殿」から「レッド」までのアルバムから。「リザード」からの選曲は無し。(扱い低っ)
【曲目】※アナログ盤表記
Side A
1. Epitaph (エピタフ)
2. Cadence And Cascade (ケイデンスとカスケイド)
3. Ladies Of The Road (レディーズ・オブ・ザ・ロード)
4. I Talk To The Wind (風に語りて)*ヴォーカル ジュディー・ダイブル
Side B
1. Red (レッド)
2, Starless (暗黒)
Side C
1. The Night Watch (夜を支配する人々)
2. Book Of Saturday (土曜日の本)
3. Peace - A Theme (平和/テーマ)
4. Cat Food (キャット・フード)
5. Groon (グルーン)
6. Coda From Larks' Tongues In Aspic, Part I (太陽と戦慄パート1)
Side D
1. Moonchild (ムーンチャイルド)
2. Trio (トリオ)
3. In The Court Of The Crimson King (クリムゾン・キングの宮殿)
バランスの良い選曲という評価が多いようですが、「宮殿」から4曲。
「レッド」からメインの2曲というのは、偏ってる感じがします。というか、フリップ先生の当時の気分だったのでしょう。でもこれなら、「宮殿」と「レッド」の2inOneでも・・・
あと、現在では重要と思える曲が何曲も抜けています。
「21世紀の精神異常者」「太陽と戦慄 part2」「イージー・マネー」「フラクチャー」などなど。あくまでも「Young Person's Guide...」など、入口程度の入門編というスタンスなのでしょうが「21世紀の・・」が入っていないのは片手落ち。
ただ、クリムゾンの歴史の中で、多様なタイプの曲をバランス良く配置しているのは間違いなく、これをきっかけに他のオリジナル・アルバムを聞いていく人が多いところを見ると、入門編としては間違いないでしょう。オリジナル・アルバムの拡販という意味では正解。さすがフリップ先生!
この盤が初出というのは2曲。
I Talk To The Wind (風に語りて)*ヴォーカル ジュディー・ダイブル
フェアポート・コンヴェンションにいたジュディー・ダイブルがリード・ヴォーカルのヴァージョン。まだ前身バンドから”キング・クリムゾン”に改名する前の録音。
トラッドっぽい雰囲気の佳作ですが、やはり”宮殿”のヴァージョンがしっくりきます。でも、これは”あり”ですね。ジュディーの歌声も知的で魅力的。眼鏡っ娘なのもポイントが高いですね。これで学級委員長とか、図書委員だったら自分のタイプにストライク!
Groon (グルーン)
シングル「Cat Food」のB面だった曲。現在は「ポセイドン」のボートラとして、簡単に聞けます。
フリーセッションを想定したモチーフを拡大。
フリージャズとマイケル・ジャイルズは、実は相性悪いかも?演奏も肩慣らしという感じでしょうか?後に「アースバウンド」に収録されたライヴテイクは殺人のBGMにしかならないような、物凄い演奏。
多分、このアルバムを聴いたのは中学1〜2年の頃。それまで「宮殿」「ポセイドン」と友達が順番に買っていて、テープに録音して聴いておりましたが、当時、結構ラジオでもクリムゾンかかってまして、渋谷陽一の番組で”RED”とかは既に聴いてはず。
ですが、このアルバムで知った「太陽と戦慄Part1」のインパクトが大でございまして、しかもこれが編集されて短くなったバージョンだと知ると、期待に胸が膨らんだわけです。
というわけで、次は「太陽と戦慄」を自身で購入!と思いましたが、後輩のお姉さんがプログレファンでカセットへの録音で済ましました。という話は後日書こうと思います。
今ではCDも廃盤(限定生産で日本だけで発売していた時期あり)。当然、中古アナログで手に入れるしかないのですが、通販のサイト見ると、結構値段安いですね。需要ないか・・・マニアはジャケットとブックレットだけのためにでも購入ですね。(自分、既に持ってないのですが・・・)