老人とプログレ

介護施設での現場のお話。プログレ、ハードロック等の音楽話。・・その他、日々の雑記、ファイターズの話題等・・

初老の介護施設管理者。経過観察&ぼやき To be a ROCK! Not to ROLL!

高齢者施設での食事

 

 

 

最初に

よく病院の食事への不満を聞きます。食事の良し悪しで病院を選べるわけではなく、仕方ないんですが、これが高齢者施設になると別。第三者が食べると美味しいと思うものも、毎日食べていると不満も出てくるものです。

www.joint-kaigo.com

上のニュース記事を読んだ限りには、これからファーストフード業界も本格的に高齢者介護の分野に参入する気配ですが、毎回牛丼は飽きてくるでしょう。

 

とにかく、毎日の食事は美味しく食べたいもの。

高齢者住宅にお住いの方にアンケートを取ると、スタッフへの不満や人間関係より、文句の出るポイントが高いのが食事の部分でして、今日はその辺のお話を。

 

食事の外部委託

学校給食もそうですが、内部で厨房設備だけ用意して、管理や運営をするのは別会社というパターンは結構多いです。万が一衛生管理の問題で食中毒を出したりした場合の予防の観点から導入している法人がほとんど。また、求人なども委託された会社が管理しています。

味の問題でクレームが上がっても、委託会社の責任なので、改善しなければ違う委託業者に変更すれば良いだけなので、管理の点では非常に便利です。また、その場所に調理員がいるので個別での対応も可能なのがメリットです。

ただし問題はランニングコスト。規模にもよりますが、結構な費用がかかります。

カラオケで有名なシダックスなどは、この分野でも大手です。

 

仕出し屋さん

 

最初に勤めたデイサービスでは、近所の仕出し屋さんや給食センターに昼食を依頼しておりました。味の方はプロなので大体は問題ないのですが、コンビニと同じで調理してから何時間までという衛生管理上の区切りがありまして、食べ始めるのが遅い人とかいると大変でございました。また、食中毒の起きにくい揚げ物、炒め物が多いのも難点でして、味も濃い目になりがち。

 

食材事業

 

献立に合わせて、食材とレシピを配送してくれるパターンというのもあります。調理するのは施設のスタッフですね。設定する価格に合わせてメニューを作ってくれるので結構便利で、味付けや量の微調整ができるのも利点です。問題は衛生管理が施設側にあること。

専門の栄養士がレシピを作っているようでして、美味しいんですけど、切り干し大根とカボチャとひじきはその期間に一生分食べたような気がします。

 

真空調理したお弁当の提供

最近、急速に増えているのがこのシステム。調理済みのお弁当を真空パックして冷凍にし、提供する際は温めて終わり。

朝が弱くてご飯の開始時間が遅い人などには最適。私は高齢者用の物しか食べたことがないのですが、作り立て感は少し弱い気がします。あと炒め物に関しては香ばしさが足りないという感想が多いようです。

 

www.hoshizaki.co.jp

 

高齢者住宅での食事提供の問題点

どんな方式でも一長一短がありますが、高齢者住宅にお住いのほとんどの方は、高血圧や糖尿病、心臓疾患での水分制限などで、食事に何らかの制限がある方。仕出し弁当の場合は個別の塩分調整や加工などは難しく、たまに食べるぶんには良いのではと思います。デイサービスなどには向いているのでは?

 

外部委託の食堂の場合は、融通が効く分、コストや料金が割高になります。チルド食は温めるだけなので、スタッフの手間もあまりかからず、栄養面も問題ないのですが、ほぼ固定したメニューになるため飽きが来るのも早いというデメリットがあります。

 

選ぶポイント

住宅に入居するのは介護者やご家族ではないので、ご本人に食べて決めてもらうのが一番。よくご家族が見学して住宅を決める際に食事を試食をして、それで決めてしまうパターンが多いのですが、後に住むご本人からクレームが来る可能性もあるので、住宅の契約をする前に試食は必要と思ってください。

ほとんどの方が口にするのは「こんなに高い食費を取ってこれだけ?」というフレーズ。チルド提供のところが多いのですが、ほぼ仕入れ原価で提供しているところは割と納得して食べているケースも多いです。

 

食にうるさい方だと、内部厨房タイプの方がよろしいでしょう。中には食材もその人に合わせて個別で仕入れという所もあります(値段は張りますが)。

 

まとめ

人間の三大欲求(食欲・睡眠・性欲)の中で、一番強いのは当然食欲。生きていくからには栄養は取らなければなりません。

食事の提供がストレスになるようでは本末転倒ですので、住宅でもデイサービスでも慎重に決めるのがよろしいでしょう。

 

と書いてますが、決まった時間に食事が勝手に出て来るのは、実は生活機能を著しく損なう行為。料理を作らなくなってから認知症が思い切り進行したという実例も数多くあります。

 

料理を作るという行為は、「何が食べたい」と思考するところから始まり、段取りを決めて食材を加工し、調理するという思考と作業が連続した活動。ここを放棄してしまうのは廃用化を加速されるもの。「住宅に預けたので栄養面は安心」ではなく、なるべく自分で調理をさせる機会を持たせるのも大切です。住宅でも室内で簡単に調理ができるシステムがあるなどのオプションがあると良いですね。

 

 

というか、料理にうるさい人は自分で作った方が早いでしょう。あとは道場六三郎雇うなどですね。ただし道場氏の場合はメニュー考えてから献立を毛筆で書くのに多分20分ほど余計に時間がかかりますが。しかし、その際は私もご相伴させて頂きたいものです。 

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