老人とプログレ

介護施設での現場のお話。プログレ、ハードロック等の音楽話。・・その他、日々の雑記、ファイターズの話題等・・

初老の介護施設管理者。経過観察&ぼやき To be a ROCK! Not to ROLL!

5年前 ○○本舗のこと

「5年前」というお題は、ブログチャンレジからのお題なのですが、実は5年前は個人的には黒歴史

 業界的には黒くて有名な、○○本舗という、「お泊まりデイサービス」の会社に在籍しておりました。

 

 わからない方のために説明すると、デイサービスという形態はその名の通り「日中」がサービス提供の時間帯で、介護保険を利用できるのですが、「お泊まりデイサービス」の場合は、介護保険が適用されない時間帯を、自費の「保険外サービス」を使うことにより、早朝や深夜帯でも利用可能。宿泊もできるというシステム。

 本来であれば、介護者が旅行で家を空けるのだけれど、おばあちゃんを家で一人にしておくのが心配・・という場合は、「ショートステイ」という短期滞在型の宿泊設備があるのですが、予約が必要だったり、満室で断られたりと当時問題になっていました。

 というわけで「デイサービスが夜も使えれば」というニーズを創業者が受け、発明したのが、この「お泊まりデイサービス」。1ヶ月連泊しても、特養を使う費用よりも若干高いぐらいで利用でき、また、急な対応も可能。

 

 利用する方にとっては、便利なシステムだったわけです。で、”売り”としては・・ 

空き民家を活用したくつろぎの空間とリハビリテーション

ご利用者にとって落ち着いた生活空間を実現し、自宅と同様のくつろげる空間を実現しています。​

365日年中無休のサービスでご家族の生活の質(QOL)を向上​

ご家族の休息を確保し、ご利用者・ご家族双方の生活の質(QOL)の向上を図っています。

夜間ケアサービス

通い慣れた環境の中で、顔見知りの職員による夜間ケアが提供される事で症状の緩和が図られ、在宅生活の軽減が可能になります。

定員10人の小規模事業所

個別ケアを徹底して実践できる少人数制を採用しております。

人員配置

介護のプロフェッショナルを手厚く配置し、1人1人の状態に合わせたケアを提供しています。

 

 だそうです。

 

 で、ここまで利用する方にとって耳障りの良いフレーズが続くと、対応する現場は大変。小規模10人定員のデイサービスだと、マックスの売上が月300万円程度。そこから諸経費や食材仕入れなどのランニングが発生するので、利益を確保するには人件費コントロールしかないわけです。しかも、夜勤も可能なスタッフで資格持ちを揃えるのは至難の技。すでにここで「介護のプロフェッショナルを手厚く配置」というのは有名無実になってしまっています。

 労基を守ろうとすると、スタッフの有休希望とかに応えねばならず、管理者にしわ寄せ。普通に休めたことは全くなかったですね。で、管理者は経費コントロールもしなければならないので、残業は当然のごとくサービス。2日完徹とかよくありました。

 

 基本、困った人を助けるのが介護・デイサービスの仕事なのですが、利用単価を上げるため。重度認定の方や、他のデイサービスで受け入れ拒否になったような方が沢山おりました。手のかかる方が多かったので、現場は大変。そういうしわ寄せも最終的には管理者に・・・

 色々書きましたが、時が経つにつれ、理解のあるスタッフも集まり、スキルもアップ。最終的にはかなり楽な運営になり、ケアマネさんからの評価も上々。

 フランチャイジーで長く運営しているところなどは、実は経営体質もケアの質も健全という所が多いのではないでしょうか?ネットでは色々書かれていますが、管理者やスタッフが長く定着している○○本舗はきっと健全。

 

 と、仕事内容も運営も大変だったのですが、そういのは介護の世界以外でも良くある話なので、実はどうでも良く。24時間営業のマクドナルドよりは多分まし。

 で、問題は運営しているフランチャイジャーの企業体質。

 

 創業してまもなく、これをいけるぞ!とFC展開を始めて、やがて全国展開。利用する側のニーズが合ったのと、加盟金やロイヤリティを安くして参入を容易にしたことで、瞬く間に成功します。で、ここまでは成り上がりストーリーで盛り上がるのですが、王朝が滅ぶのは簡単で、金があるところには寄ってきます。奸臣と女。まぁ一番問題なのは創業者ご本人だったのですが・・

 一番乱れていた時期は、週刊誌に虐待の証拠写真や、乱脈経営の記事を書かれて、世間の信頼を失い、「安かろう悪かろう」というイメージが定着。同業人にも馬鹿にされていたのは後ほど知りました。

 

 そういう私も、さすがにこの会社はマズイぞ・・と思い始めまして、”2ちゃんねる”とか見てみると、まぁヒドいこと。ほぼ下ネタと暴力ネタのオンパレードでしたが、ほぼ80%は真実。気になる方は2ちゃんでどうぞ。もう何年も続いているスレッドですが、介護のページの中では一番サーバーの容量とっているのでは・・というヴォリューム。

 で、何が起こっていたかというと、創業者の言うこと聞かない奴は、鉄拳制裁。そして粛清。気に入った女は「喜び組に・・・。そして幹部連中は毎日宴会で、FBに写真をアップ。北朝鮮と全く同じ。そりゃ現場はやる気起きないわけですよ。

 

 そんなんで、当時の北海道のエリアマネージャー(女性!)に、「この会社はいかん!」とか正義感ぶって進言したら、そいつも創業者の女でした・・というオチ。

 

 私怨もあるので上手く落ちませんね、こりゃ。

 

その後、債務超過が本格化。アドアーズに株を売却して逃げ切ろうとしたのですが上手くいかず、訴えられてる最中です。

 

 しかし創業者の人。元Jリーガーで、幕末の志士の子孫。(自称 裏付けなし) こういうトリックスターは、どの世界でも過渡期には現れるもの。FBで頻繁に檄文描いてましたが、結構、文章は魅力的。ただし、喋ると文章の魅力の1/3くらいしか伝わらない、口下手な人でした。

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